肩の痛み
- 五十肩(肩関節周囲炎) 特に誘因なく肩の痛みが現れ、肩を挙げられないなど可動域制限を伴う。
- 上腕骨近位端骨折 高齢者が肩から転倒し、その後肩が動かせなくなる。
- 肩腱板断裂 安静時痛、夜間痛があり、肩関節の挙上制限が起こる。
- 肩鎖関節脱臼 コンタクトスポーツや交通事故などによって、強い外力が肩の外側にかかり発生する。
- 肩関節脱臼 転倒や転落、スポーツの接触プレーなどで脱臼すると肩が動かせなくなる。
- 石灰性腱炎 急性発症、激痛を訴えることが多い。よく見ると肩の腫れがある。
- 上腕二頭筋長頭腱断裂 自然断裂を起こすことがあり、上腕の力こぶが明瞭となる。
腰・背中の痛み
- 腰痛症 検査などでは特に異常が指摘できない。慢性の筋疲労や姿勢異常などにより腰痛が生じる。
- 椎間板ヘルニア 最初は腰痛、間もなく片側性の下肢放散痛を訴え、時として歩行困難になる。
- 脊柱間狭窄症 高齢者の腰痛の原因であることが多い。歩行すると下肢のしびれが生じ、前かがみで症状が軽快する。
- 変形性脊椎症 脊椎の加齢性変化に伴い、しびれや痛みを生じる。
- 骨粗鬆症 ちょっとした尻もちなどでも圧迫骨折することがあり、立ち上がりや寝返りが困難となる。
- 脊椎分離症 激しいスポーツを続ける青少年の腰痛の原因であることが多い。
- 化膿性脊椎炎 発熱を伴う腰背部痛が生じ、進行すると下半身の麻痺も見られる。
- 肋骨骨折 転倒、転落や交通事故などにより胸部を打撲した際に起こる。咳をした際に痛みを生じる。
手・指の痛み
- 橈骨遠位端骨折 高齢女性が手をついて転倒した際に手首を骨折する。
- 関節リウマチ 関節のこわばりや痛み・腫れが生じ、症状は長時間続く。
- de Quervain病 親指の根元から手関節外側にかけての痛みを生じる。特に中年女性に多い。
- 手根管症候群 親指、人差し指、中指のしびれと夜間痛を生じる。
- ガングリオン 指や手関節などに弾性の丸い腫瘤を生じる。
- 月状骨軟化症(Kienbock病) ハンマーを使う職人が手関節痛を訴えることが多い。
- 舟状骨骨折 スポーツなどをしていて、後ろ向きに転んで手を強いた際に起こる。
- 三角線維軟骨複合体損傷(TFCC) 小指側の手首に痛みが生じ、主に手首をひねる動作で誘発される。
- ばね指 指の屈曲時に弾発現象が起こり、親指、中指、薬指に起こりやすい。
- Heberden結節 60歳以降の女性に多く、指の末端の関節が肥大、変形し、痛みを伴う。
- 槌指(突き指) 外傷により指の末端の関節が屈曲変形する。
- Dupuytren拘縮 男性に多く、薬指、小指が伸ばせなくなる。
膝・脚の痛み
- 変形性膝関節症 中高年の膝痛の原因として最も多い。歩行時に膝内側部が痛む。
- 膝関節捻挫 激しい外力が加わった際は靭帯損傷にまで至るケースがある。
- 半月板損傷 膝の痛みや腫れ、可動域制限を認め、階段昇降時の痛みや時として引っかかり感を生じる。
- Osgood-Schlatter病 成長期に膝下部の骨が跳び出してくることで痛みが生じる。
- 偽痛風 高齢者で誘引なく膝関節の熱感や痛みを伴う。
- 化膿性膝関節炎 関節内に細菌が侵入し化膿することにより発熱や激痛を伴う。
- 椎間板ヘルニア 下腿に放散痛や感覚障害を伴い、増悪と寛解を繰り返す。
- 脊柱管狭窄症 下腿にしびれ、痛み、時として歩行困難となる。
- 疲労骨折 激しいスポーツや長距離疾走後に下腿痛を生じたら疑う。
- シンスプリント スポーツによる使い過ぎにより、下腿の後内側部に痛みや圧痛を認める。
- 静脈血栓症 特に高齢者に多く、下腿部の有痛性の腫脹を認める。
首の痛み
- 頚肩腕症候群 パソコンでキーを打ち続ける人、流れ作業で上肢を使う人に多い。
- 変形性頚椎症 首、肩、腕痛や手指のしびれが初発症状のことが多い。
- 頚椎椎間板ヘルニア 急激な片側の首、肩、腕痛で発症する。首が痛くて動かせず放散痛が増強する。
- 寝違え 朝起きた時に首が痛くて回せなくなる。自然に軽快していく。
- 頚椎捻挫(むち打ち損傷) 外傷後に頑固な首、肩、腕痛を訴え、めまい、耳鳴り、吐き気を伴う。
- 斜頚 子供の顔が片方を向いたままで反対の方向に回さない。
肘・腕の痛み
- 胸郭出口症候群 なで肩の女性に多く、肩の外転挙上などで上肢のしびれや冷感などを訴える。
- 上腕骨外側上顆炎(テニス肘) 中年の女性に多い。テニスに限らず腕の使い過ぎでも起こる。
- 上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘) 野球やゴルフなどによる腕の使い過ぎにより、肘の内側に痛みを生じる
- 肘内障 親と手を繋いでいて、急に手を引っ張った際に起こりやすい。
- 肘部管症候群 小指のしびれが初発症状で、腕や手部の内側に放散痛を生じる。
- 離断性骨軟骨炎 スポーツ少年に多く、肘の運動時痛と引っかかり感がある。
- 上腕骨顆上骨折 5〜10歳の子供が手をついて転倒した際に起こりやすい。
- 上腕骨外側顆骨折 2〜4歳の子供が転倒した際に起こりやすい。
- 肘頭滑液包炎 肘部の後側が腫れることが多い。
股関節・太ももの痛み
- 変形性股関節症 年齢を重ねるにつれて股関節の変形が進み、時として歩行困難になることもある。
- 発育性股関節形成不全 乳幼児では疼痛を訴えないが思春期以降に股関節の痛みを訴え始める。
- 大腿骨近位部骨折 高齢者が転倒し股関節の痛みを訴え、歩行困難となる。
- 大腿骨寛骨臼インピンジメント しゃがみこみや長時間座位、足を組んだ際に疼痛を生じる。
- 大腿骨頭壊死 ステロイド使用や過度のアルコール飲酒により大腿骨の血流障害を生じる。
- Perthes病 男児に多く、歩行時の大腿部にかけての痛みと異常歩行がある。
- 単純性股関節炎 3〜10歳の小児が誘引なく股関節を痛がり、起立しようとしない。
- 急性化膿性股関節炎 発熱を伴い、乳児がオムツ交換の際に号泣し、足を動かそうとしない。
- 大腿骨すべり症 肥満児に多く、内股になりやすい。後に変形性股関節症へ移行する。
- 椎間板ヘルニア 下肢に放散痛や感覚障害を生じ、増悪と寛解を繰り返す。
- 脊柱管狭窄症 下肢にしびれ、痛みを生じ、時として歩行困難となる。