関節リウマチとは?
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関節リウマチは、多くの関節に炎症を引き起こす原因不明の全身性疾患です。
病変は主に関節に始まり、発症のごく早期には手や足に限局した痛みや腫れを生じます。早い段階で治療を開始しないといずれ関節の変形や動きの制限を生じて関節破壊や機能障害をきたす疾患です。
関節リウマチの主な症状
関節の痛みや腫れ、こわばり
関節リウマチの代表的な症状には、関節の痛みや腫れ、こわばりがあります。
初期症状としての朝起きた時の関節のこわばりを自覚することで、これにより関節リウマチが発見されることが多々あります。
痛みや腫れが続くことで、関節の動きがさらに制限されたり、変形したりすることがあり、長期的に運動障害を引き起こす原因としても知られています。
全身に影響を及ぼすことも
また、関節リウマチは関節周囲の炎症にとどまらず、全身に影響を及ぼすことがある疾患です。
関節外症状と呼ばれ、倦怠感、食欲の低下、体重減少、発熱などを引き起こします。特に注意が必要な合併症としては心膜炎、肺炎、腎機能障害などがあります。関節リウマチそのものが影響している場合もあれば、治療薬による副作用によるものまで様々ですが、異常を感じる場合にはすぐご相談ください。
関節リウマチの治療方法
関節リウマチの治療目標は 「痛みを軽減させること」と「関節変形の進行を抑えること」の2つがあります。
一般的に薬物療法では、
- 消炎鎮痛薬
- 抗リウマチ薬(DMARDs)
- ステロイド
- 生物学的製剤
などを使用します。
従来は、消炎鎮痛薬で痛みをとりながら、進行してきたら抗リウマチ薬を追加する方法がとられてきました。ですが、近年では消炎鎮痛薬はあくまで補助的な使用にとどめ、最初の治療から進行抑制効果のある抗リウマチ薬やステロイドを併用していく治療法が一般的になっています。しかし、抗リウマチ薬は効果が安定するまでに数ヶ月時間がかかることがあることに注意が必要です。
生物学的製剤は体内の炎症物質の働きを直接阻害することで、関節破壊の進行を食い止めることができる新しい薬物療法です。近年では自己注射が可能な製剤も開発されており、外来での治療も比較的容易となってきました。
生物学的製剤の効果は高いですが、治療費が高額になりやすいため経済状況を考慮して選択する必要があります。
それ以外にも運動療法や理学療法を行い、運動機能を維持していく方法もあります。痛みが落ち着いている時期に運動機能訓練や日常生活訓練を行い、同時に関節の負担を減らす装具やシューズを作成することもあります。
関節リウマチは、「適切な治療により関節変形を抑えることができる病気」ということを理解しなければなりません。そのため、早期診断、早期治療が大切になってきます。